護摩は胡麻ではなく、サンスクリット語「homa(ホーマ)」を音写したもので、訳は焚焼。
でも、護摩の修法でゴマ油と白胡麻は使います。
インドではバターのような油を使いましたが、
日本ではゴマ油に蜜を入れて使うことが多い。
護摩では、
火は仏の智慧、
炉に入れて焼く(燃やす)護摩木、各種の香、白米、五穀、油は、悩み煩悩のシンボル、
なので、智慧で煩悩を焼き尽くす、という構造。
ゴマ油は煩悩の残りかす、蜜は仏の大悲、それに智慧の火が生じ、
油が燃えて火になる時、煩悩が悟りになる。
このように象徴シンボルを使って、仏の世界を理解しようとします。
白ゴマは加持物といって、もっとも重要な供物です。
それは、
ゴマに含まれる油は光明の因となり、惑いの闇を照らす、
諸仏が世界に遍満しているのは、ゴマ粒に油が詰まっているようである。
その様子から、
仏の大悲が自他の心身を照らし、罪障悉く消滅する、と観想しながら火に投じます。
さらに、
ゴマは味良く、毒無く、五臓を養うから、
災いを止める修法の供物として適している、
と考えられています。
仏教に限らず、
内に懺悔反省し、外に感謝するのが祈りの基本ですが、
病気災難を止めると共に、心中の迷いを除き、
財産を増やし栄達を得ながら、善を行い悟りを目指す福智を増進させ、
衆人から愛されたいと願い、自らは慈悲の徳を広大にする
と祈願します。